現在世界最高のドラマーのうちのひとり。バンド形式のソロアルバム。
めりはりのきちんとある、ジャズロックフュージョンを展開。
メンバーの演奏レベルは相当に高い。安心して聴いていられるフュージョンとしても機能。途中『ケンソー』とまったく同じフレーズがでてきてびびる。エリオットシャイナーの見事なミキシングもすごい。
10点中8点。サイモンのドラミングはあいかわらず知的だ。
現在TOTOのドラマーとしてその技とパッションを発揮しているサイモン・フィリップス。彼はそれまでにも数々のアーティスト/バンドのレコーディングや、ライブツアーに参加、常にその作品を十二分に充実させている。そんなサイモンのリーダーアルバムの一つが本作である。作曲はギタリストのレイ・ラッセルとともに中心になされ、レコーディングには”ヴァーサタイル”ギタリスト アンディ・ティモンズの参加も仰ぎ、全体としてフュージョン色が強く、かつてのクロスオーヴァーを彷彿させる仕上がりになっている作品である(本作に関わるパフォーマンスについては”Out of the Blue”としてライブ盤でも出ている)。アンディも自らの作品以上に伸び伸びとプレイしており、常に競演するアーティストに何らかのインスパイアを与えるサイモンの音楽的な求心力の強さを堪能できる。通常、ドラムスというと曲やバンドそのものの「骨組み」を司る印象が強いがサイモンに関して言えばまさに「奥行き」を作り出している。その彼の作りだす「宇宙」に多くのアーティスト、ミュージシャン、そしてリスナーは惹かれるのだろう。そんな彼の求心力の秘密が見えた気がする作品である。