フィールドワークの入門書 フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ)
私は初めてフィールドワークに行く際に本書を読みました。フィールドワークとは何か、どのようなことに気をつければいいのかなどについて述べてあり、入門書として最適なのではないかと感じました。私から見た本書の特徴は以下の3点です。調査とは何なのかについての整理が行なわれている。本書は、ただ単にフィールドワークのやり方を描いているのではなく、他の調査方法(サーベイ調査など)と比較し、その特徴を描き出しています。そして、唯一の調査方法に頼るのではなく、必要な調査方法を組み合わせること(トライアンギュレーション)を薦めています。フィールドワークの概要をつかむことができる。いわゆるHow to本ではありません。つまり、フィールドワーク前の段階として、概念化、仮説立証、サンプリング、調査における信頼性と妥当性、参与観察について、などフィールドワークを行なうにあたって重要となるであろう概念について、整理・説明をしています。フィールドワークのハードウェアとソフトウェアの記述。どちらとも機能的には現在あるのか疑うほど古いものですが、そのハード・ソフトウェアに求める機能は、あまり変化していないと思います。したがって、この章を手がかりにして、自分なりにフィールドワークのハード・ソフトウェアをそろえることが出来ると思います。
ただ、実際にフィールドワークを本格的に行なう人のHow to本としては物足りない点があるかもしれません。
調査を読む側の人に良い フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ)
定量的データなんて当てにならないと思っている現場主義者こそ、この本から学ぶことが多いように思う。と言うのは、著者は定量的方法の持つ問題点に触れるだけでは無く、フィールドワークも同様にいい加減な研究になりやすい性質を持っていると言うことを指摘しているためだ。
ただ、具体的技法の解説と言う点では物足りなさを感じたので自らフィールドワークを行うために参考になる本がほしいと言う人よりは、一般的な読者がマスコミから出される社会調査などを見る目を鍛えるために読むと言うような場合のほうが満足度は高くなるだろう。
これはフィールドワーク紹介本、実践は同著者の別本で! フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ)
フィールドワークはこんなことしますよ、という紹介の本です。質的研究法の方法論を学ぼうと思っている方、きっとこれじゃあ物足りないと思いますよ。
同著者の『フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる 』が実践指南の書としておすすめです。
質的研究法は、文化人類学、社会学、心理学、社会福祉、看護、数学(の教育)などなど多方面で用いられていますが、各分野で用いられ「がち」な手法がどれか、などを網羅的にまとめた本はないようです。ということはすなわち、各方面につき数冊の本を取り寄せるしかないということです。(質的研究のリソースを網羅したサイトはあるので、そちらを検索するのも良いかもしれません。)
もう1冊のほうがい フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ)
フィールドワークに関する基本書であるが、今一つ何をしたらいいのか分かりにくい。むしろ、同じ著者が書いた
「組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門」
の方が分かりやすいし、役に立つだろう。
フィールドワークの入門書 フィールドワーク―書を持って街へ出よう (ワードマップ)
筆者は、日本ではこれまで「フィールドワーク」や「定性的調査」について十分な議論が行われてこなかったことを指摘し、本書において再度それらを整理し、大まかな地図のようなものを作り、議論の「たたき台」にしたいという。文章の中で幾度となく登場するシカゴ学派のロバート・パークの言葉は大変印象的である。ただ、後半部で、資料の扱い方や情報収集について述べられているが、主にカードやテープレコーダーなどの古典的ツールの紹介にとどまっているので、21世紀型のフィールドワークの手法をまとめた続編が待たれる。