「人間の証明」は、ストーリー中心のサスペンスなので、風景描写のようなシーンは元々無い。「天空の城ラピュタ」や「シルクロード」、「E.T.」といった音楽がシーンを引っ張るタイプでなく、会話を邪魔しないBGMタイプの作りになっている。
しかし、その中でこれだけ印象的なメロディーを配置しているのは流石である。棟居 弘一良(むねすえ こういちろう)刑事が背負ってきた「暗い過去」を描くメイン・タイトル「Proof of the Man」は特に素晴らしい。
権利関係の問題で出演俳優の写真は一切使われていないし、レーベルが違うED「A Place In The Sun」もオリジナルは収録できなかった。しかし、別ヴァージョンという形で、無事、河口恭吾の歌を収録。ファンの期待に応えている。
主題以外で個人的に気に入ったのは M-3 「Be Moving Forward」。ジョニー・ヘイワードのテーマとも言えそうなこの曲は、「頭が良く、本が好きだった」彼の、どこか真っ直ぐな人柄を的確に描写している。「アメリカ」を思わせながら、叙情的なこの旋律は見事。
避けてきた故郷「横須賀」を描写した M-4 「Nostalgia and Sacrifice」 も、遠くから呼んでいるようなサウンドが◎。この手のサウンドトラックにしては1曲、1曲が長めに作ってあり、「アルバムとして」もたっぷり聴ける。
何だかどうにも忘れがたいドラマだったフジTV版「人間の証明」ですが、そのサントラとしては、(ちょっと印象は異なりますが)「A Place In The Sun」が入っていたのがやはり嬉しかったです。音楽がかなり引っ張っているドラマでしたので、曲が鳴り出せばすぐに、フィルターのかかった(夕焼けコヤケな)あの場面、あのセリフ、そして、肩幅の狭い竹野内=棟居刑事の背広姿などが思い起こされます。月に一度くらい、どうしても聞きたくなって、朝焼けの中、早朝出勤する際の車内BGMにしています。元気になるわけじゃないけれど、何となく、後押しになるアルバムです。
作曲は、「沙粧妙子 最後の事件」の岩代太郎氏です。
どうりでドラマの毎回の導入部、これまでのあらすじのナレーションから入る
部分の雰囲気が、「沙粧・・」に似ていると思った。
1.Proof Of The Man ~japan mix~
...タイトル時のメインテーマ。派手ではないが、着実に行動を開始するイメージ
だと思います。ドラマでは、事件が新たな局面を迎えたり、その操作に動き
出す場面等に印象的に使われています。
2.The Broken Tiny Glass
...哀しく切ない、ノスタルジックな雰囲気を静かに盛り上げる曲です。
10.A Place In The Sun (S.T Mix)
...河口恭吾氏の歌入りですが、別売のシングルとは別アレンジです。
ライナーノーツは、表紙にドラマHP、角川文庫(新装版)の麦藁帽子のイメージ
写真を使用、俳優や場面写真はなく、ドラマ解説、曲解説やコメントも一切ない、
曲リストと演奏データなどのみで非常にシンプルです。
(が、岩代氏の写真は大きく載ってます...^_^;)(歌詞と日本語詞、河口恭吾氏の写真も載ってました)
ドラマを見て上記1,2が気に入った方にはお勧めです。