麻薬とアルコール パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ
人気の渦中にあったビートルズの自由のない息詰まるような暮らし。その中で高揚感、安寧を求めて、はまる麻薬、アルコール。当時、大麻などは、わりに一般的に使われていたかと思うが、大麻からすすんで他の麻薬やアルコールの中毒になった夫や妹を、それらから断ち切ろうとする様子が書かれている。精神的にも成長したパティから、これだけの話を引き出したペニー・ジュノーの手腕はなかなか。翻訳は少し校正ミスがあるが、自然で読みやすかった。
貴重な写真と暴露的な内容 パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ
貴重な写真がアメリカ版ではカラーで紹介されていたのに、この邦訳版では単色のものとなってしまったのが大変残念。ジョージとリンゴの妻モーリンとの浮気とそれを知ったリンゴのうろたえる様子など、暴露的な内容が多い。後半はそのようなものが多いため、ビートルズ・ファンやクラプトンのファンが読んだらうんざりするのでは?また、帯にも本文にも「サムシング」がパティのために作られた曲とあるが、1991年、日本公演を前にしたジョージに日本のTV局がインタビューした時、彼はそれをきっぱりと否定している。
あの名曲に歌われたミューズの自伝 パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ
「サムシング」「いとしのレイラ」という、正にロック史に残る名曲に歌われたミューズの自伝。ロックファンにとってはジョージとクラプトンとの三角関係のみに興味が集中するので、400ページを越すボリュームが内容的に値するものがあるのか?と思って読み始めたが、当時のロンドンの先進的は雰囲気やモデルとして活躍した本人の逸話などそれなりに楽しめる。ロックファンは彼らに劇的な人生を期待するが、ご当人達の生活は一般人のそれとさほど変わりなく淡々と流れそれが語られていく。これは「クラプトン自伝」でも同様に感じた。そんな日常の中で「サムシング」や「いとしのレイラ」を生み出せる天才達が存在するということなのか。ロックファンであれば一読の価値はあり。表紙も良い。
ロック・スターの妻、恋人という存在 パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ
今まで、ロック関係の本は相当読んできたつもりだが、この本はその中でも、特殊なものとして長く記憶されるだろう。率直に言って、ロック・スターの妻とか恋人という存在はこんなものなのだと思う。モデルとしては有名で、セレブで、その世界では意味のある存在なのだろうが、音楽の面から見ると、ただ、ビートルズのジョージ・ハリソンと結婚して、エリック・クラプトンに熱愛されて再婚したというだけの人だったんですね。まさに人形そのもの。そう思って読むと、これほど中身のない本も珍しい。もちろんスーパースター二人との知られざる私生活といった興味でもいいのだが、その辺についても、気を使っているのか、暴露的なこともほとんどない。スタジオにいたことがあるわけでもなく、音楽的にも興味の分野があるわけでもない、ただの妻であり、恋人だっただけの人の半生と思っていたら読了していた。逆に、違うことを期待しすぎていたのかも知れない。そう思うと、永年、噂の絶えないオノ・ヨーコの自伝は、さぞかし、内容のあるものなのでしょうね。そういえば、その意味では、この二人は好対照で、一人はミュージシャンの音楽的な面には全く関与していない存在、もう一人はスタジオに住んでいて、恋人に限りないインスパイアを与え、自分の名前の入った歌まで作らせた存在、ということになるのでしょうか。とにかく、いろいろなことを考えさせてくれた本でした。