90年代より変化してきた労働市場の動きを見て、そうした変化によって新しく生じた問題への対策を書いた本です。
特に重視しているのが、雇用の流動化による雇用不安や失業問題であり、これらの問題は今までの雇用保障の考え方では補っていけないと訴えます。
新しい雇用保障のあり方として「組合」という言葉が使われていますが、イメージとしてはもっと広く職業訓練や転職の手当てなどまで行い、
産業別や企業別などの垣根を越えて、それぞれが繋がる多数のNPO的な組織の大ネットワークを想像しています。
各企業間の垣根が薄れ、多様化し、雇用の流動性も高まっている時代にあった‘次世代型組合‘とは、
同じく組合間の垣根を飛び越え、様々な個人にあったサービスを提供し、流動化にあっても長期の失業に繋がらない情報提供や
職業を訓練を備えた会員制的なものであるというアイディアはとても面白いです。
しかし、本書の半分は、こうした‘次世代型組合‘の考察に当てられているので、「労働市場の変化」の様子や原因を探りたいと思っている方なら、
それは別に本書である必要はないかもしれません。
これからの時代にあった、労働市場対策を考えている人にとっては、新しいアイディアを生み出すよい’きっかけ’を与えてくれるのでないでしょうか。