録音嫌いで有名なミケランジェリが残した数少ない貴重な映像作品のひとつです。しかもカラーでステレオ。残念ながら日本版は廃盤になってしまったようですがリージョンオールの輸入版(ASIN: B000641ZQS)ならまだ入手可能です。クラシック音楽ファンの方に是非お勧めです。
ミケランジェリと言えば気難しい、キャンセル魔、ピアノとホールのコンディションに異常にこだわり気に入らないとさっさと帰ってしまう、というような話を聞いていただけに、このような映像が残されていること自体、驚きです。手のアップも表情の間近でのフォローもとても自然で、何も気にされていないようです。演奏は……なにかこう、ピアノが弾かれているというより、ミケランジェリが静かに指を下ろすと、勝手に、自由に歌い始めているような印象を受けました。こだわったピアノがベヒシュタイン、日本に来た時に持ってきたのがベーゼンドルファー、なのにDVDではスタインウェイでした。そのことも意外でした。手に入れる前に万が一廃盤になったら、とても後悔したと思います。どこから聴いても、どんな体調の時でも、私に安心と陶酔を与えてくれます。かすかに、「生きているこのマエストロの演奏に接することができた人」への嫉妬を、感じました。
今は亡きミケランジェリのコンサート記録。
存命中ですら、キャンセル魔であったため、実際にコンサートを聴けるかどうかは、チケット購入後も不安がありました。
その彼のコンサートが、このような形で観る(聴く)ことが出きるとは、夢のようです。
古い録画ですので、少し映像ズレなどがある個所もありますが、この記録が存在すること自体に感謝したい。
手の動き、顔の表情をよく捕らえていて、ピアノ学習者には、バイブルのように手元におきたい一枚になると思います。
演奏は、もちろん、言わずもがな・・です。