研究と訓練なのにこうなっちゃうの? 八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
当初、リスクマネージメント、リーダーシップの参考のために読み始めましたが、
読み終えてみて、勉強にはなる部分もあるが、考察するにはやや不適切と感じた。
やはりこれはフィクションの小説だからである。
著者が伝えたかったことは、死後も継承されるという軍隊の序列や、上長には
間違いを間違いといえない状況が悲劇を生んだということであろう。
一方、軍が世論を気にして対策を講じる姿は、むしろ認識を新たにした。
序章から胸を締め付けるような悲壮感の伝わる文章で読むのが辛いが、
山中での彷徨からは一気に読んでしまったほどの緊迫感があった。
一気に読める冒険もの 八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
明治時代に起きた実際の事件を基にしたフィクションです。
一応人物名は変えてありますが、実話も挿入されており、フィクションとノンフィクションの境が曖昧で、ついつい全部実話だと思ってのめりこんでしまいます。
明治時代ということもあり、生存者も少ないことから全貌がわかりにくい事件ですが、作者は登場人物のキャラクターやストーリーを単純化して実にわかりやすい物語に構成しているので、おもしろくて一気に読んでしまいました。
軍隊内にいかにもありそうな、部隊同士のいがみあいや、上下関係が悲劇の原因になったという明解なストーリー構成や、兄弟間で霊的な交流があったり、吹雪の中を笑いながら案内する妖しい女がでてきたりという、幻想譚の挿入もよくできていて、読者の興味を刺激してくれます。
雪の恐さを知った 八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
日露戦争前夜の、実験的な山岳雪中行軍。
徳島大尉率いる第31連隊は南から、神田大尉率いる第5連帯は北から、八甲田山に踏み込んでいきます。
対ロシアに対する研究の必要性、連隊の競争を煽る上層部の思惑、上司の行軍計画への不理解、軍隊における士族と平民出の違い、大寒波という異常気象、など、様々な要素が重なって重なっておきた悲劇です。
第5連隊の隊員たちが雪に埋もれたなかで、発狂していく様子は、ずっしりと重く衝撃的でした。
第5連隊の失敗と、第31連隊の成功。
悲劇の一義的な人的責任はやはり、連隊の競争を煽った上層部と、山口少佐にあると思います。
ただ、いささか後付け的な考えではありますが、犠牲を出した結果が、後の日露戦争の雪中行軍の経験に生きて戦争中そのために命が助かったという人もいるわけで、そう思うといくらかは救われるものもあります。
どちらの隊においても雪の八甲田山に挑んだすべての人を称えたくなります。
文章がすごい 八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
隊を率いる者の判断が、人命を左右する
ということが描かれています。
この本のなかではまた、気象の変化が描かれていますが
表現が的確で目に見えるようです。
寒さが隊員を襲う様子もリアルで
こちらにまで痛みが伝わってきます。
気象に造詣が深い著者ならではだと思います。
?凄?ま?じさ?? 八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
極寒の?状態での?人間の生態、??軍隊という構図、総合的に立派な???ホラーストーリーとなりえる歴史?が?日本にあったという?事実を知り得た。?エピローグがもの悲しい。?