文藝春秋の必読書二百冊に選定 古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)
本書は文藝春秋の特集記事、必読書二百冊の一冊に選定されている。
ただし、決して平易な内容ではないし、文庫本とはいえ読みこなすのには相当の気力がいるだろう。
人類の文明は自然に翻弄されてきた歴史であり、また数万年レベルで見れば地球の気象状況が大変動を遂げてきたことが理解できる。
本書を読めば、現代文明がいかに脆弱なものであるか、思い知ることだろう。また、歴史的には警戒すべきは寒冷化(氷河期)であって、温暖化ではないことも明らかとなることだろう。
気候変動の大きな流れを捉えられる良書 古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)
本書は、氷床コアの研究などで得られた過去の気候変動データと考古学による文明の歴史をつきあわせることで、過去の文明が気候変動に対応したり、できずに崩壊したりした例を、氷河期末期から近代までつぶさに眺めてみる本です。
眺めることによって、私たちを含めた文明というのは、頻繁に起こる小さい災害にうまく対処する能力を得る代わりに、滅多に起こらない大災害にたいする脆弱さは受け入れたということなのだ、ということが分かります。
氷床コアから推定された気温のグラフを見ると、今後ふたたび氷期に向かって気候が変動するのは確実なようにも思われますが、そのきっかけとなりうる大規模な氷床の融解を自分たちの手で引き起こすことを避けるだけの分別は持っていたいものだ、と思いました。