気の優しいおじいさんが歌う、ほのぼのとしたアルバム。ムーンライダースのメンバーのアレンジもかなりすばらしい。小沢氏の声の質感は『まさにサンタクロース』のそれ。子供に夢を与える使命をもったメッセンジャーといった風情。ペーソス&ノスタルジックな響きに満ちた日本人が忘れてしまった何かがここにある。10点中8点
タイトル通り、俳優の小沢昭一が全曲を歌唱した童謡集です。
氏がライナーで述べていますが、今の子供は童謡をめっきり歌わなくなった、
童謡を歌うのは老人ばかり、だから「童謡」は「老謡」だ、と。
氏の世代にとっては、まさにここで歌われる一曲一曲は幼い頃の心象風景
そのものであり、その頃の自分へ一瞬にして戻れる魔法の「うた」なのです。
実は、童謡の魅力に本当に気付くのは、歳を重ねてイイ大人になってからで
あるといいます。そのことは私自身もつくづくそう思います。
今や「おじいさん」の年代となった小沢昭一の歌声は、この上ない味わいと
優しさに満ちており、聴く者の胸に静かに染み入って来ます。
但し、決してうまいと言える程の歌唱力ではありません。しかし、声は群に素晴らしい。
例えば想像して頂きたいのです。自分のおじいさんが「おうた」をそっと、
心を込めて歌ってくれている情景を。想像出来たなら、それがこのCDなのです。