DVDボックス、最後のセットとなるこの第3巻には、勝プロ製作の第16作『座頭市牢破り』を除いて、第13作から第19作までの6作品を収録。以後シリーズは大映配給を離れ、大作『座頭市と用心棒』や劇画色の強い『座頭市あばれ火祭り』など、作品の性格も従来のラインから外れていく。従って、本セットに収められた大映時代終盤の諸作こそ、脂の乗り切った座頭市映画のスタンダードな魅力を、素直に伝えてくれる。
その上で、内容もバラエティに富んでいる。第1作での名演でシリーズに名前を刻んだ天知茂が、ライバルの用心棒役で再び出演、第13作『座頭市の歌が聞える』。「どこへ行くの?」とギョッとさせられるタイトルながら、霊場参りを思い立った座頭市が四国の悪党と対決、第14作『座頭市海を渡る』。無!法な殺し屋集団に狙われ、死地へと赴く座頭市の危機一髪、ヒロイズム全開の第18作『座頭市果し状』。三田佳子をヒロインに迎え、元日の諏訪明神、初日の出と一番太鼓の轟音をバックに佐藤允と緊迫感溢れる決闘は、第19作『座頭市喧嘩太鼓』。
しかし、特に注目したいのは以下の2作。まずは第15作『座頭市鉄火旅』。数知れぬ敵を斬り捨てた座頭市の仕込み杖にも寿命がきた。「あと一人斬ったら必ず折れる」と言われた市は、これを機会にやくざから足を洗おうとするが、斬らねばならない悪党の存在がそれを許さない。無敵の仕込み杖が折れるという設定、抜くに抜けないピンチに興味をそそられる。刀鍛冶の老人に東野英治郎、旅芸人を演ずる水前寺清子は歌も披露。
さらに、言わずと知れた剣劇スター・近衛十四郎?をゲストに迎え、シリーズ屈指の立ち合いを見せるのが、第17作『座頭市血煙り街道』。殺陣の名手を数えるならば、近衛・勝は必ず挙げられる、達人同士の対決。殺陣師による段取りを一切決めず、ぶっつけ本番で臨んだという手に汗握る戦いは、まさに真剣勝負。