酷評が多いのも頷ける、なんというか女性キャラクターが異質すぎるのだ。まあ「コロニーの落ちた地で」の小泉大尉やマッチモニードも結構アレな感じだが、もともとゲーム自体がこんな感じだったからゲームから入ったほうが楽しめることは間違いない。
なんといってもこの作品には「コロニー」で果たせなかった部分を解決している点が評価できる。レイヤーのように悲しみたくは無いのだ、それだけでも価値がある。下巻はもっと面白い、だからこそこちらもしっかり見ていただきたい。
受けが悪いのを承知で酷評させていただく。
小説の元になったゲームの設定がどれくらいこの作品に影響しているのかわからないが、気になったことを列記する。
・物語の始まりから具体的な目標(M資金)が出てくるまで、だらだらと長く、話の目的がつかめないままストーリーが進んでいくので飽きる。
・連邦側、ジオン側とも軍隊には異質な性格の妙な女性キャラクターが頻出し、世界観を壊している(この辺は原作ゲームにも責任がある)。
・上記に関連し、キャラクターの一人「メイ」は他のガンダムの世界観からしても異質にすぎると思われる(10歳からMSのコンピュータ開発に関連していた等)。
・ジオン側は全体的に階級が高すぎる。とくに外人部隊の体長が大佐であるが、これは地球方面軍!司令のガルマ大佐と同階級であり、部隊の規模からして落差がありすぎる。
・燃料気化爆弾など、著者の軍事知識を生かした武装が登場するが、元来、一年戦争は設定のベースが第二次世界大戦の雰囲気になっており、そういう点からは異質である。
・物語の中で、敵役のザクが比較的簡単に数台撃破されるシーンがあるのであるが、もともとのガンダム世界の原点である富野氏の小説では
「ザクを一機沈められることは巡洋艦を一隻失うのと同等である」という趣旨のことがセリフとして記述されており、原作を尊重しているとは思えない点が不快である。大体、MSは核反応炉を搭載した全高18mの巨大兵器であり、物語中で安易に次々と撃破されて良いものではない。
全体として、作者の軍事知識は買うが、あまりに!原作の設定を無視したものとなっており、違和感と嫌悪感を禁じえない。
そしてガンダムとは別の独自の小説として読んだ場合、これといった魅力が感じられない。
たとえば現実の特殊部隊のドキュメンタリーである「ブラックホークダウン」などと比べるべくもないというのが正直な感想である。
林譲治氏の書くミリタリー色の強いガンダム小説第3弾。
元となったゲームに明確なストーリーが存在しないため、
前二作とは違い、林氏による完全オリジナルストーリーとなっている。
今作は連邦とジオン、
二つの特殊部隊が戦場を転々としながら戦いを繰り広げてゆく。
もちろんリアルなミリタリー描写は健在。
単純な面白さでは前二作にはやや劣るものの、
この雰囲気が好きな人ならばそれなりに楽しめる。