余計な一言が全てをぶち壊してしまう。このアルバムを一言で表現すればそんな感じだ。「青春の蹉跌のテーマ」、あれはないだろう。あんなものを聴かされた日にはこちらの調子まで悪くなってしまう。端的に現れているのは「モンブランケーキ」。かっこいい曲なのに、最後のセリフで台無しになる。ミニコンポ推奨盤。
大槻ケンヂソロアルバムのうち「わたくしだから」が在庫切れなので、せめてこちらの方は、在庫があるうちに買って聞いてみてください。
大槻ケンヂはピュアです。抱きしめてあげたくなっちゃうぐらい、ピュアです。
オーケン節でこんなに優しくて、ちょっともの悲しいのは「香奈頭をよくしてあげよう(名曲!)」以来だと思います。オーケンはいい人です。無茶言ったり、無茶やったりしてたりしてもいい人です。
そして、「恋愛をすることの悲しさあるいは「覚悟」」を知っている人です。
だから、「モンブランケーキ」や「ののの唄」「FOOLISH GO-ER」などの「究極の愛」に限りなく近づいていく歌を歌う人なのだと思います。
たぶん誰もが名曲だというカバー「天使たちのシーン」で「最後の2行にくると泣けてくる」とライナーノートにありますが、私も同様です。
「神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわないように」・・・泣けます。そして、「あのさぁ」名曲です。「無条件の陽性のストローク」(いったいなに?って人は今すぐ注文!)昔さだまさしが「求め続けてゆくものが恋 奪うのが恋 与え続けてゆくものが愛 変わらぬ愛」・・・と「恋愛症候群」で歌っていましたが、オーケンは「あのさぁ・・・」って私(たち)に不器用に愛を送ってくれる。
オーケンは「自分はへなちょこ」と言っていますが、精神的な「愛とはなんぞや恋とはなんぞや?」を知っている(肉体的にはどうかは知らない(笑))、数少ないすばらしいアーティストです。
「青春の蹉跌」でのクオーク論は無理矢理な前向きな台詞だが、藁をもつかみたい人の心を強く打つかもしれない。
筋少の「レティクル座妄想」と「ステーシーの美術」の間に出されたアルバムなのだが、まさに二つのアルバムのネガティブ→ポジティブの橋渡しになっている作品だと思う。
生きるのが辛かったり、鬱な人は是非聴いてみて欲しい。
小沢健二のカバー「天使達のシーン」は強力な作品になっている。
ピアノ、ギター、ヴォ−カルがとんでもない緊張感をかもし出している。
この一曲を聴くためだけでもこのアルバムを買う意義があるのではないかと思う。素晴らしいと素直に思える一曲だ。