バラードということですが ”物悲しい曲”という出来ではありません。
歌詞は悲しげなものがあっても、曲調は暗いものでは決してなく、
立ち上がっていく際の気持ちの切り替えのようなものを感じさせます。
全体的にキッチリと歌い上げています。
声質的には決して飛びぬけたものではないように感じますが、
あれだけの高音を歌い切り、全体を聴かせるあたりには力量の高さを感じます。
アレンジ的にはエコーが若干効き過ぎているという感は残ります。
それ故の重ったるい感じのアレンジが苦手な方は最初は抵抗を感じるでしょう。
バラードという曲調の特性上、曲やアルバムの印象がフラットになるのは避けられませんが、
曲を上手に組み合わせて聴いている者を飽きさせない感じがします。
飽きの来ない理由の一つは、音がバラードっぽくアレンジされているということではなく、
聴き手を離すことなくキッチリと聴かせているアルバムであると言うことでしょう。
アレンジでなく ”声と歌” で聴かせているアルバムです。
スカしたものでなくて、がっぷりとヨツに組まれたアルバムです。
タイトルどおり、中西さんの「“魅力満載な”バラードだらけ」のCDである。「バラード=切々と歌う」のイメージがあるが、「君が微笑むなら」「LAST CALL」などはどちらかと言うと「気持ちが入りすぎて声を張り上げたような歌い方」もある。
かと思えば「一日の終わりに」「LOVE TIDE」のように淡々と歌うバラードもある。
そして「歓送の歌」のように少しずつ盛り上げていくような歌い方もしている。
「バラードだらけ」と言えば、「静かに歌い上げる」イメージがあるが、このアルバムを聴くと「それだけじゃないんだ」と思う。