映画『tokyo.sora』の予告編で流れていた2曲目の『トライフルソング』が聴きたくて、『tokyo.sora original soundtrack』を買いました。
しかし、予告編で流れていたのは一部で本来は色々付け足されて5分位有る筈だと思っていた『トライフルソング』は、2分足らずだったので拍子抜けしてしまいました。全10曲で22分20秒です。「少し物足りないなぁ」と感じてしまいました。でも、かなり完成度が高く思わず聴き入ってしまうので、「この値段では高い!」とは思いませんでした。
クラシック風の繊細なメロディを基調としていますが、切なくて儚い美しさに涙が出そうです。大雑把なサントラが多い中、工芸品を作るように小さくて細かな所まで作り込んだ素晴らしいサントラです。
一音楽としての完成度が高いので、曲の時間数が気にならなければ、映画『tokyo.sora』のサントラとしてだけではなく、イージーリスニングやアンビエントとしても自信を持ってお薦めします。
小編成の弦と、ピアノを中心とした、非常に繊細な音楽が詰まった、小さなサウンドトラックです。アルジュナや攻殻機動隊で見せているようなノリノリのプログレッシブや、カウボーイ・ビバップのジャズも菅野さんの魅力全開で素晴らしいのですが、エスカフローネやブレンパワードにあったような、すごく繊細で、それいながらどこか広く豊かなメロディは、本当に心を優しく包んでくれます。
イメージでいうと、「中国 12億人の改革開放」の各曲や、「エスカフローネ」のワルシャワ・フィルによる壮大な管弦曲の間々にあった小品に近く、最近の菅野さんしか知らないひとには物足りないかもしれません。でも、菅野さんの音楽の根底にあるのは、プログレッシブにしても、ジャズにしても、フュージョンにしても、またオーケストレーションにしても、このようなとても繊細なメロディだと思います。
Gabriela Robinさん(野暮になるので、彼女が誰なのかはここでは書きませんが...)を彷彿とさせる山本千夏のビュアな声もこのアルバムにとてもマッチしていいですし、また、どこか懐かしい「7. アンチョビとキャベツ」もよいアクセントになっています。これだけ優れた作品でありながら、解説書なしのミニ・アルバムということで、と非常にお買い得。
ゆったりとした気分で聴きたい「心に優しい」作品です。